今回の格言は、世界で初めて、飛行機による動力飛行に成功した『ライト』の言葉。

If we all worked on the assumption that what is accepted as true is really true, there would be little hope of advance.


真実として受け入れられているものに間違いはない、という前提で我々すべてが取り組むなら、進歩という希望はないだろう。


【解説】
ライト兄弟が何に成功した兄弟かはご存じですよね？
彼らは世界で初めて、飛行機による動力飛行に成功した人物です。

元々は自転車屋を操業していた兄弟ですが、なぜ飛行機の研究に没頭するようになったのでしょうか。

動力飛行に成功するその7年前、ドイツのオットー・リリエンタールという航空パイオニアが飛行試験中に墜落して死亡します。この事件が、ライト兄弟を飛行機の研究へと向かわせるきっけかになったのでした。

さて、ライト兄弟は飛行実験を行うにあたって、実験に最適な土地を探す為に気象庁に問い合わせ、ノースカロライナ州にあるキティホークという土地に決めます。

そして1900年、初めてキティホークにたどり着いた2人は飛行実験を始めます。

しかし、その年の実験は失敗。これは、「キャンバー(翼の反り)」が、リリエンタールの残したデータにあるものよりも小さかったからだと考えます。

そして翌年の夏、彼らは再びキティホークで実験を行います。去年の教訓を生かし、キャンバーを大きくしましたが、まったく機体をコントロール出来ないという事態に陥ります。

ここにきて彼らの中に、先人たちの残した研究結果をすべて信用してもいいのだろうか、という思いがよぎり始めます。

数々の改良を加えたところで、自分たちの思い描いた結果がついてこない。

彼らの飛行実験は頓挫したかのように見えました。

しかし、ここで二人は今までの飛行実験にはなかった方法を試すことにしました。
これにより、最初の実験より3年後の1903年、人類初の動力飛行実験に成功したのです。

このように、過去のデータが使い物にならなければ、自分たちで新た方法を生み出せばいい、という姿勢は今回の名言からも伺えるのではないでしょうか。