今回の格言は、「クマのプーさん」の作者『A・A・ミルン』の言葉。

A little Consideration, a little Thought for Others, makes all the difference.


ほんの少しの気遣いが、他のものへの思いやりが、全てを変えるんだ。


【解説】
A・A・ミルンといえば、やはり思い出すのが「クマのプーさん」。
彼が、息子クリストファー・ロビンの為に書いた作品です。

1882年1月18日にこの世に誕生したミルンは、大学に進み、そこで兄と共に学生向けの雑誌の記事を書いていました。その記事がイギリスの主要なユーモア誌「パンチ」の目に留まり、そこで編集アシスタントとなります。1913年には同じ職場の編集者ドロシーと結婚。

そして1920年、息子が生まれると児童向けの作品をいくつか書き始めます。

中でも、自身の幼少の頃の思い出や息子を観察して書かれた「クリストファー・ロビンのうた」という詩集はベストセラーに。

そうしていくつか子供向きの話を書いた後、1926年、息子のクリストファーが6歳の時に「クマのプーさん」が誕生したのです。

このプーさんは、ディズニーによるアニメ化で、更に世界中で愛されるキャラクターになったのでした。

しかしどうやらミルンは、子供向けの本が有名になってしまったことを快くは思っていなかったようです。この成功によって、本業（劇や小説）がまともに扱われなくなったからだとか。

現に、彼は児童書以外の作品も数多く残しています。

意外なことに、彼は推理小説も書いていましたが、その内の１つ「赤い館の秘密」という作品が大ヒット。

その登場人物のアントニー・ギリンガムは、ご存じ横溝正史の人気推理小説に出てくる金田一耕介のモデルであると言われています。

クマのプーさんを読んでミルンに興味を持った方は、彼の別の作品も読んでみるといいかもしれません。

さて、今回の名言は「クマのプーさん」のセリフです。

クリストファー・ロビンとプー達が冒険の途中でちょうど良い草原に座って腹ごしらえするシーン。みんなは持ってきたものを食べているのに、イーヨーは何も持ってきていません。そこでイーヨーは「誰かアザミ（花）の上に座ってやしないよね？」と聞きます。

するとプーが立ち上がり、自分が座っていたことに気づきます。するとイーヨーがやってきて、もうクタッとしているアザミをモシャモシャと食べ始め、植物の上に座るということはその植物の命を奪うことなんだ、と言います。そうしてそのあとにこの名言が続くのです。

プーがほんの少し、周りに対して気遣っていればそこに花があることが分かって、その上に座ることもなく、花の命を奪うこともないし、自分の食べるものがないイーヨーも綺麗な状態の草花を食べることができた。

それは人間同士でも同じことですよね。