今回の格言は、作曲家、指揮者の『リヒャルト・ワーグナー』の言葉。

Joy is not in things; it is in us.


喜びはものの中にあるのではない。我々の心にあるのだ。


【解説】
時に力強く、時に優美で、時に壮大な音楽を創り上げた作曲家、ワーグナー。

彼の音楽は聴く者を陶酔させ、その音楽は「麻薬」と呼ばれる程です。

そんな彼は15歳の頃にベートーヴェンを聴き、いたく感激して自分も音楽家になろう、と思ったのだといいます。

ちなみに、33歳の時、当時忘れらていたベートーヴェンの「第九」を演奏し、傑作であると再評価させたのはワーグナーでした。

ですが、彼の作るオペラは中々認められず、当初は出資者からの借金を踏み倒し国外へ夜逃げするなど、貧しい暮らしをしていたようです。

そんな中、ドレスデンで上演された「リエンツィ」が大成功し、ここからワーグナーの名が知られるようになっていきます。

しかし、国内で起こった革命運動に参加するも失敗に終わった為、全国で指名手配されたワーグナーはスイスへ亡命し、9年間をそこで過ごすことになります。

しかし、亡命中も「ニーベルングの指環」（かの有名な""ヴァルキューレの騎行""が第3幕の序奏で演奏されます）や、「トリスタンとイゾルデ」といった超大作オペラなど、多くの作品を作り出していました。

その後、指名手配を解かれたワーグナーを待っていたのは国王ルートヴィヒ2世でした。 ワーグナーの作ったオペラに感動した国王は、国家予算を使ってワーグナーを援助したり、ワーグナーの世界観を表現する為にお城を建ててしまいます。

ワーグナーの作りあげる素晴らしい音楽とは相反して、彼の人格には問題があったようで、その人格故に多数の""ワグネリアン""と呼ばれる信者を作ると同時に彼を嫌う人間も多くいて、援助の申し出はほぼ断られていたため、国王という超大物パトロンを捕まえたことはワーグナーにとってかなりの収穫でした。

国王を味方につけたワーグナーは、""バイロイト祝祭劇場""という、彼の作品だけを上演するための劇場を作ったのでした。

バイロイト祝祭劇場では今なお、ワーグナーの作ったオペラを上演する""バイロイト音楽祭""が毎年夏に行われており、大変な人気で中々チケットが手に入らないのだそう。

さて、今回のワーグナーの名言は、喜びとは物によって与えられるものではなく、自分の心の中にあり、感じ取るものであるということ。