今回の格言は、『三銃士』で有名な『アレクサンドル・デュマ』の言葉。

Life is a storm, my young friend. You will bask in the sunlight one moment, be shattered on the rocks the next. What makes you a man is what you do when that storm comes.


友よ、人生は嵐だ。身も心も揉まれ、ボロボロになりかねない。嵐のとき、何をするかで人は成長する。


【解説】
"All for one, one for all."
という名言が生み出された「三銃士」や、「モンテ・クリスト伯（巌窟王）」など、数々の名作を生み出したフランスの大文豪、アレクサンドル・デュマ。

彼の父親は、貴族と黒人奴隷女性の間に生まれ、ナポレオンの元で陸軍将軍として活躍したトマ=アレクサンドル・デュマ将軍(デュマ父)。つまり、デュマも黒人の血を引いています。彼はこのことで生涯差別を受けたのだとか。

さて、デュマは17歳の頃、「ハムレット」の劇を見て感激し、劇作家を目指します。

戯曲「アンリ三世とその宮廷」がヒットすると、次々と作品を発表。

一躍売れっ子劇作家となったデュマは、小説にも着手します。

新聞の小説欄で「モンテ・クリスト伯」、「三銃士(ダルタニャン物語)」、「王妃マルゴ」などを掲載すると、これがまた大人気に！

この大成功で富を得たデュマは城を築き、贅沢三昧な日々を過ごします。

彼は様々な女性と浮名を流したようですが、女性にフラれても「ネタになる！」と楽観的だったそうです。

しかし、国内で起こった革命により、ルイ・フィリップの後ろ盾を失ったデュマは破産宣告され、ベルギーに逃亡。後にフランスに帰郷しますが、彼が亡くなる頃に手元に残ったのは少しの絵画と家具だけだったとか。

1802年に生まれたデュマですが、彼の生誕200周年記念となる2002年に、彼の遺体はモンマルトルの墓から、フランスの偉人たちが眠るパンテオンに移されました。

彼の祖母が黒人奴隷であったため、世界に誇るフランスの文豪にも関わらず今までパンテオンに祀らなかったことを、当時のシラク大統領は、「差別であった」と認め、「不正を償う」とコメントしたそう。

今回のデュマの名言、一つ目は「モンテ・クリスト伯」からの引用ですが、人生には日が当たる時もあれば岩にぶつかる時もある、しかし辛い時にどのような行動を起こすかで人は決まるんだ、という言葉。
辛い時程、その人の力量が試されるのですね。

そして二つ目は、自分を信じるということ。

自分を信じられなくなった瞬間から自分自身が敵になってしまうのだということ。自分の味方はいつも自分だ、ということですね。

彼の作品は映画やアニメ（日本では三銃士がアニメになっています）にもなっているので、触れたことのある方も多いと思いますが、是非原作も読んでみて下さいね。