今回の格言は、哲学者の『イマヌエル・カント』の言葉。

Three things tell a man: his eyes, his friends and his favorite quotes.


3つのことがその人の人となりを教えてくれる。それは、その人の目、その人の友人、そしてその人が好む格言だ。

【解説】
『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を上梓し、人間理性の機能と限界を画定する試みで、当時の哲学潮流を根本から変えてしまったカント。

彼の思想の枠組みは、その後の西洋哲学全体に大きな影響を与えました。

今や哲学の巨人とも称されるカントですが、若いころは苦労続きであったようです。

父の死により学資が続かず、研究半ばにして大学を去ることに。すぐに大学のポストも見つからず、家庭教師をかけ持ちする苦しい生活を送りました。

46歳のとき、ようやく大学の教授に就任。その後10年の歳月をかけ、名著『純粋理性批判』を完成させました。難解で斬新な彼の思想は、哲学界で大論争を巻き起こします。

論争の渦中に放り出されたカントでしたが、彼のプライベートは穏やかそのものだったそう。

早寝早起き、散歩など、生活すべてが規則正しく行われ、夕方からは親しい人々を集め会食するのが習慣であったのだとか。カントの話題は豊富そのもので、世界の最新事情にも通じ、ウィットに富んだ会話で皆を楽しませたといいます。

そんな楽しい会食の最中にも、彼はその場の人々を観察し、人間について思想を巡らせていたのでしょうか。

今回のカントの言葉は、少し言葉を変えてみると、自分の目、自分の周りにいる友人、自分が好む格言……これらを振りかえると自分が見えてくる、とも言えそうですね。さて、あなたが好きな格言は一体どんな言葉？