今回の格言は、ミッフィーの絵本作家『ディック・ブルーナ』の言葉。

Each book first begins with a little idea.


どんな本も最初は小さなアイディアから始まったんだ。

【解説】
その愛らしい姿で世界中の子どもたちに愛されるミッフィー。ピカソやマティスに影響を受けたシンプルな線と明快な色彩は、当時の絵本の常識を打ち破る斬新なものでもありました。

ミッフィーシリーズは、世界50カ国以上で翻訳され、その発行部数は8500万部を超えるとも言われています。

作者のディック・ブルーナはオランダのユトレヒト生まれ。小さなころから絵を描くのが好きで、いつもスケッチブックを持ち歩いていたのだとか。第二次大戦後に、画家になる決意をかため、高校を退学。

ヨーロッパで遊学するものの画家にはならず、婚約を機に父の経営する出版社の専属デザイナーに。デザイナー業のかたわら、ブルーナは次第に絵本の制作もするようになりました。

1955年、ブルーナは「ナインチェ（オランダ語で「うさちゃん」）」という、うさぎを主人公とした字のない絵本を出版。

写実的な描写が主流だった絵本の世界で、ブルーナのモダンなキャラクターデザインは「子どもには理解されない」と大人たちに敬遠されましたが、子どもたちはこぞってブルーナの絵本に飛びつきました。

この「ナインチェ」が、のちの「ミッフィー」。その後、各国語に翻訳され、ブルーナは人気絵本作家としての地位を確立したのです。

いまや世界中で愛されるミッフィーですが、誕生のきっかけはブルーナの長男シルク君が野生のうさぎに喜ぶ姿を見たこと。